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面白いものが書けたらいいなあ・・・・・・

友人に「とある~」のSSを書いて欲しいと頼まれたんでお気に入りの垣根帝督で一つ

まだ途中ですがとりま試しに上げておきますー





 目を開けるといつもそこは同じ世界だ。
 白濁しきった壁。汚濁を受け入れる色素が自身を汚していく。
 俺はそれがひどく気に喰わない。この世に澄み切った空なんてものは存在しない。生物の概念は何もかもが存在した瞬間から汚されることが運命付けられている。いつまでもその身を白く輝かせることなど出来るものか。
 人が老いて死ぬように。
 いつか染みが広がり、堕落する。
それが俺の見ている世界のはずだった。


 何だ、

 あの、濁りきった純白は。


 脳が全神経に直結するような感覚とともに男は意識を醒ました。気だるげな瞳はうつろに開かれ、どこかを見ているようにはとても見えない。ぼう、とした瞳の理由は何のことはない。自身の睡眠欲に従った結果の起き様というだけのことだったりする。
 だが、その口元だけはやけにはっきりと曲線を描いており、端のほうが歪みきったように吊り上っていた。今見た夢の内容に対して自嘲的な笑いか、それとも別種の何かなのか。おそらく、男自身すら気づいていないだろう。今の自分がどういった表情を繕わずにして現出させているかなど。
 と、彼の腹が少しだけ鳴り、男はさも困ったかのように頭をかいた。
「やれやれ、これだから冷蔵庫まで潰されると困る」
 背を預けていたソファから身を離し、少年っぽさのある頭身の男は冷蔵庫を見やる。
 そこには、元々白か銀の輝きを持っていたであろう冷蔵庫が鉄の臭いを伴った赤色で半分以上が染められており、半開きになった扉からは明らかに人体の一部であろう骨が剥き出しになった腕、破裂した果物のごとき頭蓋が飛び出している。語るまでもなく、広義的に言うただの死体だ。そして冷蔵庫に入りきったのは一体だけだったのか、散乱した死体、いや肉片はまとめてその隣のゴミ箱に突っ込まれていた。
 これは別に彼が「人間というものをゴミとしか見ていない」とかではなく、ただ単純に腐った死体の中心で自身が睡眠を摂るのを避けようとしただけに過ぎない。
 やがて少年といった風体の男は手持ちの携帯電話と併せてポケットから抜き取った薄手の黒い通信端末を操作し、耳にあてた。
「人材派遣に要請だ。三日前に学園都市第十二学区で掃討したゴミ集団の残党三匹、オートメーションにでもぶち込んで俺が隠れ家として使用していた証拠を全て隠滅しておけ」
「足でもつけられたのかい?」
 予想通りに応対した『電話の主』を相手に男は周囲の状況など気にも留めずに身支度を整える。といっても身一つで事足りたのか、肩と耳に挟んだ端末越しの相手に
「さあな、待ち伏せだから先にアジトを知られたんだろ。隠れ甲斐はあるところだったからな、半年は保った方だ。ああ、あと・・・・・・」
 無意識に並列稼動させていた自身の演算を完了させ、
「時限式爆弾の解除が面倒だったんで放置しておいた。瑣末事を面倒事にしたくなかったらさっさと処理しにきな」
「・・・・・・全く、了解だ」
 大仰な『電話の主』のため息を聞いてから少し満足げな男は端末を切ると同時に
 背中から六枚の白い羽らしきものを現出させた。
「なんてオカルティックなヤツなんだろうな・・・・・・つっても自覚があるのも、また困りもんだが」
 そんな自分を軽く罵倒してから、『第二候補』とあだ名される少年は廃墟と化す一分前の小奇麗な建築物の窓からその身を躍らせた。

 学園都市に存在する最暗部。その内の一つに名を連ねる組織が『スクール』という名を冠した隠密部隊である。彼らを含めた最暗部の人間は大抵が能力者によって構成され、もしくは学園都市外部の闇の人間がそのサポートに回っている。
 彼らに与えられた大まかな行動目的は本当にごく単純。学園都市に仮初めとはいえもたらされている平穏に『騒音』を持ち込む人間や組織の抹殺と消去。及び、それらの行動の隠密化。
要はこの学園都市というところが風紀委員や警備員が存在する、という上でのソレに対する名目上の取り決めみたいなものだろうが、基本的にソレが守られたことはない。特にこの男は裏の人間が表に噛み付こうが、表が裏のドアを開けたところで何とも思うことはない。ただし、絶対的な弱肉強食が待っている以上、彼は必要ならば表裏を無視して情け容赦を加えないというだけだ。
 男・・・・・・彼の名は、垣根帝督。『スクール』の実質的なリーダーの座に甘んじているのが裏における彼の正体である。

「垣根」
 学園都市第七学区、最近建造された「セブンスミスト」の中に入っていくと垣根は覚えのない声をかけられた。
 実に胡乱気に首を声のほうへ向けると、セブンスミストのようなデパート街では悪目立ちしそうなファッションの上から白衣を着た男が居た。そして目には目元に入れた刺青を隠しでもしたいのか不釣合いなサングラス。どう考えても心当たりはないし、少なくとも垣根が頭に留め置くような人間ではないのはその度を逸したファッションセンスが物語っている。
 だが問題は学園都市暗部の人間である自身の名を以って呼んだことである。彼には一応表との繋がりも幾つか存在するし、一般的な『表』の世界における親友も数は少ないが獲得している。目の前に居るこのキチガイ面は間違いなく『表』の輩ではない。そして、白衣越しにも分かるどこか文系気質ではないその立ち姿は・・・・・・
「そうか、手前が木原数多か」
「おやおや、覚えていてくれて嬉しいねえ、『第二候補』の垣根帝督。あーそういや、オマエが直接俺の顔を見るのは初めてか」
「オマエの一族の名前には吐き気がするほど操られてきたからな。俺としては顔を見る前に手前の根城毎消し潰す予定だったんだが」
 す、と目を細めて目の前のエセ科学者を相手に別の思考で演算も開始する垣根とは対照的に、木原は今にも口笛を吹きかねない顔をしながらもお手上げといった調子で両手を軽く挙げている。
「まあ、そう躍起になるなよ『第二位』の垣根。テメエも俺も、やり合う領分は闇ん中でだ。『第一位』よりは下のテメエでも意味不明っぷりはそっちのが上だ、いなすのも潰すのも面倒にもほどがあるぜ」
 その言に、垣根は呆れてモノを言う気も起きなくなった。最初からこの男は、仮にも軍隊とタメを張れるという広告を持っているレベル5をいなせるだの、潰すだのと真顔で発言しているのだ。たしかに木原数多のみならず、木原姓の科学者かぶれのキチガイどもは自身の能力開発とその解明に携わっている。だから演算数値や神経反応速度、挙句の果てには『自分だけの現実』その他の情報を垣根は公開しているカタチになる。
 だがそれだけのことで何故この男はこれほどに勝利宣言とも取れる態度を取れるのだろうか。増してや『超電磁砲』のような分かりやすい能力ならばともかくとして自身の能力はアレだ。対処策を見つけられるとは垣根には少しばかり想像もしない話だった。
「まあいい、で俺に何の用だ。声をかけたのはテメエだろうが」
 会話の線を中断させ、入りかけたセブンスミストから出ようとするとそこを木原が呼び止めた。
「ああ?中で仲良くお話といかねえのか?」
「この客の出入りの良い昼間に人相の悪い最低の人間が二人も入り口に立っていてみろ。せっかくの大型店の評判が悪くなること請け合いだ」
 はあ、律儀なことだな、人間の底辺が、という木原の返答にも気にも留めず垣根は足早にセブンスミストから離れた。

「で、用件は」
「なあに、大したことじゃねえよ。ただテメエが御執心の『第一位』サマについて色々と教えてやろうと思ってな」
『第一位』。その単語を聞いた瞬間、垣根の目つきがほんのわずかに険しくなった。だが、それ以外の外面は繕いを保ったまま
「今更、『一方通行』の何を伝えるつもりだ、第一アレに興味なんざさらさら沸きもしねえ」
 と、馬鹿にしたような笑いを見せるだけ。
 実際、今の垣根には『第一位』に対する執着はそれほど大きいものではなかった。特殊能力研究所、通称『特力研』において自身が能力開発を受けていた時分から『一方通行』の名前は垣根の中に苛立ちとコンプレックスを残す存在として、ソレを越えることに思考の大部分が占められてはいた。しかし、自身の能力の未解明な点と対処能力を考えると後々の目標は元より、『第一位』という肩書きは価値の低いものになっていた。
 だが、続く木原の言葉は垣根の呼吸を乱すには十分な事実だった。
「『一方通行』のレベル6シフトプロジェクトが開始した。被検体は『第三位』のクローンが二万匹だとなあ」

 レベル6シフトプロジェクト、その内容にほんの断片も自身は関わることができなかった。

「っの・・・・・・」
 その事実をゆっくりと染み込ませた垣根が最初に行ったのは、

「クソ野郎どもがぁっ!!」
 自分が出せる限りの最大級の怒声を発して赤いグローブをつけた垣根は目の前のふざけた液晶画面の男の前に設置された赤いウレタンに全力で殴りかかっていた。しかし結果がなかなか振るわない。もっとも怒りのあまり彼が芯を殴れておらず、それ故に高得点が出ていないだけなのだが。
「・・・・・・要は、自分の知らないところでレベル6を作る研究が行われていて、それにアンタが一片も関われなかった。だから憂さを晴らしたいと」
「・・・ああ」
 少しばかり高ぶっていたテンションを落ち着かせたのか、垣根はグローブを嵌め直しながら相手に対して頷く。
「で、わざわざ私を呼び出しておいてその憂さが『スクール』としての仕事じゃなくて、ゲームセンターって・・・・・・」
「情報がないし、今は無闇に暴れまわってもっ」
 再度垣根はパンチングマシーンに殴りかかるが、やはり芯を外したのかあまり良い点数が出ない。
「・・・・・・無駄な人的被害が出るだけだ。仕事ならばともかく、私情の一環で暴れて上から『アイテム』あたりを仕置きに押し付けられたら相手をするのも一苦労だ」
「・・・・・・分かった、愚痴の相手くらいにはなってやるわ。今日はまだ時間があるしね」
 垣根の後ろに立つドレス服の女はため息をついて話を促してくる。
「で、そのレベル6とやらは無事に生まれたのかしら?」
「いや、失敗だとよ」
 バカン、と今度は小気味いい音を鳴らすマシーンだが最高点には程遠い。
「じゃあ良かったんじゃないの?」
「いいわけがあるものか。そのレベル6を生み出す実験が全部凍結されちまったんだぞ?」
 更にイライラが溜まり始めたのか、垣根は前準備のようにボクシングのフォームをとり始めた。だが、『心理定規』の少女はどうもピンとこないらしい。
「説明好きなんだからそこんとこ詳しく」
「『第三位』のクローンを数だけけしかけてレベルが上がれば簡単なもんだって事だよ。少なくとも俺の思考回路じゃあそんなクソみてえな行動で何とかなるとは考えられない」
「つまり?」
 再度、合間には殴打の音が響く。
「研究陣がそんなことを何の根拠もなく行ったと思うか?仮にも人の脳をいじくって能力開発をするような連中だ。それは完全なる不正解だが、何かヒントはあったんだろうさ・・・・・・!!」
 語尾とともに垣根が繰り出したパンチは空気を破裂させる音が響き、ハイスコアをマークしたという液晶の表示が表れる。そこで垣根はようやく満足したのかグローブを抜き取り、額の汗をぬぐった。
「凍結なんていってるが、もうデータは全部消し飛んでいるだろうさ。それがあまりに惜しいって意味だ」
「なるほど」
 説明にか、それともハイスコアをマークしたことか軽い拍手を送ってくるドレスの少女と垣根はゲームセンターを出ようとしたのだが、
「あーぁっ!!」
 突然、ゲームセンターから聞こえる悲鳴に二人は首を向ける。と、そこには・・・・・・
「あたしの出したハイスコアが・・・・・・塗り替えられてるーっ!!」
 黒い長髪の中学生らしき少女が先ほどまで垣根が殴り続けていたパンチングマシーンの前で愕然と跪いていた。どうも垣根の前にハイスコアをたたき出した人物らしい。隣に居る花飾りをつけた中学生や友人と思しき常盤台中学の生徒も慰めているようだが、あまりのショックなのか少女は膝をついたまま動かない。
「貴方の意地っ張りが一人の女の子をショックにしたみたいね」
 そんな様子を遠巻きに見ていたドレスの少女は垣根に軽口を叩いたが、当の本人は珍しいことに少しだけ気まずそうな表情を浮かべていた。
「垣根、どうかした?」
「・・・・・・行くぞ」
 再度声をかけられると垣根は表情を戻してゲームセンターから背を向けた。
「何かあったの?」
「『表』の知り合いだよ。少しやかましいヤツだから下手に関わらないほうがいい」
Secre

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シエ

Author:シエ
シエを名乗るアウトドア派のアホゲーマーが色々書いていきます、多分・・・・・・

プロフはカテゴリを設けて色々書きましたので是非そちらを見てくださいませ~♪

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